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ジャパンGEMSセンター

ジャパンGEMSセンターは、公益社団法人日本環境教育フォーラム(JEEF)内に2001年に設立されました。カリフォルニア大学Lawrence Hall of Science(ローレンスホール科学教育研究所)とのライセンス契約の下、日本におけるGEMSの普及ならびに指導者養成におけるリソースセンターしての役割を担っています。

センター長のご挨拶

この度、2022年にジャパンGEMSセンターのセンター長に就任しました。専門は環境教育とESD(持続可能な開発のための教育)であり、約40年にわたって日本の環境教育(さらにはESD)の構築と普及に関わってきました。

GEMSを開発したカリフォルニア大学バークレー校のローレンスホール科学教育研究所には30年以上前に訪問したことがあります。その際にローレンスホールが初等教育用カリキュラムSCIS(後にSCIIS)を開発し、さらにこれをもとにモジュール式の教材であるOBIS(Outdoor Biological Instructional Strategy)、さらにOBISを元に視覚障害用の理科教育モジュール教材SAVI(Science Activities for the Visually Impairments)を開発しているのを目にし、極めて有効な環境教育教材であると感じました。そこでOBISの邦訳を出版し、さらにSAVIを日本の視覚障害児に適用し、視覚障害を有する児童に対する理科教育/環境教育の指針を提案した経験があります。

GEMSは奥深く、さらに近年の教育界の変化に伴って需要が急増しているとのことですので、GEMS教材並びに利用者の皆様とのかかわりをとても楽しみにしています。

ジャパンGEMSセンター長 阿部 治(あべ おさむ)

センター概要

使命

未来の社会を担う存在である子どもたちの思考力・判断力を育てることによって、現実世界をより深く理解できるようにし、環境教育の目指す持続可能な社会の実現を目指します。そのために、GEMSが全国的に認知され、学校、家庭、科学館などで子どもたちにGEMSプログラムが提供されるよう、普及に努めます。

目標

  1. 「理科嫌い」をなくす
    GEMSは体験をベースにした科学教育によって、基礎学力を身につけるとともに自分自身で考え、自ら学ぶ力をつけることを目標としています。考える力を養うことで、「科学は難しい/嫌いだ」といういわゆる「理科嫌い」「理科離れ」をなくすことに貢献できます。
  2. だれでも科学・数学の指導者になれる
    科学とは、「専門家だけが行う学問」ではなく、たとえ理科や数学の教師でなくても興味や関心、探究心をもっていれば、誰でも指導をすることができます。GEMSの教師用ガイドブックでは、プログラムの手順だけでなく、その背景にある科学的な原理や考え方についても分かりやすく解説されています。
  3. ファシリテーションとプロセスを考える力をつける
    GEMSでは、体験学習の理論に基づいて、指導者が学習者に対してさまざまな質問を投げかけるように求められています。各プログラムには、指導者がプロセスを重視する学びをファシリテート(進行、促進)しやすいように工夫されています。この活動を体験した学習者は、結果ではなく考える道筋が大切であるということを学ぶようになっていきます。
  4. 自然への理解を深める
    自然を理解し、人間と自然がともに持続してゆく関係を築いていくためには、感性や直観によって得られる感動体験と、自然に対する科学的認識と論理的思考、そのどちらも必要です。両者は対立するものではなく表裏一体の関係にあります。GEMSのプログラムは、自然を楽しみながら、自然を科学的に理解することを促進するように作られています。

ジャパンGEMSセンターの5つの活動

  1. GEMSの普及
    子どもたちに科学の楽しさ、考えることの楽しさを伝えるためにGEMSの体験会を実施します。また、学校や科学館などへ指導者を派遣します。
  2. 指導者の育成
    GEMSの原理、手法、概念を理解した指導者を育成するために、教員、環境教育や科学教育などの指導者、親を対象とした指導者養成ワークショップを開催します。また、指導者間のネットワーク作り、プログラムの実施状況や指導法について情報交換ができる場を作ります。
  3. 日本におけるGEMSの拠点
    ローレンスホールやアメリカの教員、教育者ともネットワークを作り、日本とアメリカの科学教育、環境教育の相違点、問題意識など話し合う場を作ります。
  4. GEMSガイドブックの出版
    GEMSのガイドブック日本語版の出版及び販売をしています。
  5. GEMSの発展
    GEMSの内容が、より日本の生態系・地域性に合うよう、現場の意見を取り入れながら改良していきます。

事務局

鴨川 光(かもがわ ひかる)
茨城県生まれ。早稲田大学大学院教育学研究科修了。本田恵子ゼミで子どもの思考力やファシリテーションについて研究し、2013年より現職。趣味は珍しい柄のクリアファイルとTシャツを集めること。特技は初めて会う子どもとでもすぐ打ち解けられること。幼児からシニアまで、さまざまな人たちと年間50本以上のワークショップをしながら、一緒に成長中。

柴原 みどり(しばはら みどり)
蘭領アンティレス諸島出身。コーニッシュ芸術大学舞台芸術学部卒。オペラ、バレエ、演劇等の舞台監督や制作、台本、字幕の翻訳、ポップスとジャズのマネジメントから2003年より環境・科学教育の世界へ。ここ数年はそのファシリテーションメソッドを駆使しながら、ブータンでエコツーリズム研修を実施しています。最近は毎月海外出張続きで、趣味の園芸と料理はさぼり気味。。。

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